これだけは押さえたい!実践的OJTの3ステップ
1. 現場任せのOJTはうまく機能しない
すぐに新人が仕事を辞めてしまう・・・
どうやって仕事を教えていけば良いのか分からない・・・
このような悩みを持たれている上司や先輩社員の話をよく耳にします。多くの企業では職場内での実務を通して教育指導を行う「OJT(On The Job Training)」が導入されていますが、自社の教育の中で、OJTがうまく機能していないと感じることはないでしょうか?
OJTは現場で行われる社員教育ですが、現場においていつまでに、何を、どのように教育していくかを適切に実行することは、教育担当者である上司や先輩社員の負担を考えると多くの企業で十分になされていないのが現実です。
加えて、教育担当者によって新人教育に対する熱意や指導力が異なっているということも考えられるため、新人教育のクオリティや新人教育にかける時間にばらつきが生じてしまうリスクもあります。
とは言え、仕事のいろはも分からない状況で不安を覚えやすい新人に現場での教育がうまく機能しないと、わからないことだらけになってしまったり、成長ができていないと感じてしまい、最終的には早期離職に繋がる可能性もあります。
事実、新卒3年以内の離職者に対する理由調査を行ったところ、「仕事がうまくできず自信を失ったため」という項目を約4人に1人もの離職者が選択しているという結果も出ています。※
では、OJTの効果を高めるためには、どうすればよいのでしょうか。
【※出典:労働政策研究・研修機構】
2. OJTを効果的に機能させるための3ステップ
現場において、OJTを効果的に機能させるためには、「現場任せにせずに組織的に対応すること」、「ステップを踏んで進めて循環させていくこと」が求められます。組織的にとは、人事部門が現場と協力して行うということを意味しています。
これらを3ステップに整理すると以下のようになります。
ステップ① 現場責任者等とともに意見交換をしながら実施前にOJT計画を策定
ステップ② 現場においてOJT計画を実行
ステップ③ OJTの結果を人事部門にフィードバックし、また計画策定に繋げていく
人事部門と現場が協力して計画を立て、教育方法や内容のベースを作ることは、教育のクオリティや教育にかける時間のばらつきを抑えるのに役立ちます。
そして、OJTを一回しした後にはしっかりと現場の情報を人事部門にフィードバックすることが重要です。OJTのやり方や内容に関する課題、良かった点などを吸い上げ、現場で終結させないことで、次の計画策定につなげることができます。
また、人事部門と現場が連携してOJTを行うことには以下のようなメリットもあります。
■現場と人事部門のコミュニケーション機会が増える
■セクハラ・パワハラなど職場内で発生している問題に早期対応しやすくなる。
■OJT計画を共通認識とすることで、新人が教育担当者以外の先輩・上司にも相談しやすくなる。
3. ステップごとの具体的なアクション
ステップ① OJT計画の策定
新人に求めるOJT教育実施後の将来像を決める
育成期間を決める
育成期間に基づいた実施計画を決める
OJT教育担当者を選出し、教育を行う
新人に求める将来像としては、実際の現場での業務のみならず、社会人としての立ち居振る舞いや社会人としての心構えも含めて考えることが求められます。
心構えを実際に自分のものにしてもらうのには時間がかかるため、OJTの育成期間としては、1~2ヶ月の短期間でなく半年間~1年間を目安とするのがおすすめです。
教育担当者は、新人の一番近くで業務や社会人としてのいろはを教えていく立場であり、コミュニケーションの機会も多いです。
そのためコミュニケーションが取りやすく、身近な社会人のお手本にしやすい人物として年齢の近い社員を選出することをおすすめします。
また、教育担当者もはじめのうちは教育者としては初心者です。OJT計画の実行に移る前に、教育担当者に対する教育は十分にできているかということを確認することも重要です。
必要に応じてベテラン社員による指導や、外部研修の手配など行い、教育担当者が自信を持って指導できるようにサポートするのも人事部門の大事な役割の一つです。
ステップ② OJT計画の実行
新人社員と実施計画を共有する
PDCAサイクルに沿って指導を行う
OJTを始める前に、新人と教育担当者で面談を行い、OJTの計画を共有することをおすすめします。最初に、OJT計画の全貌を見せることで、新人としても、自分がいつまでに、どのような成長をすれば良いのかを認識できるため安心です。
この時に新人からも「自分がOJT終了後にどうなっていたいか」といった目標を確認し、すり合わせておくと、実施計画を他人事ではなく、自分事にしやすくなります。
新人への指導方法は、「PDCAサイクル」に沿って進めていくことがおすすめです。
「PCDAサイクル」とは、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Action(改善)を継続していくことです。
具体的には、以下のような進め方をイメージしていただければと思います。
Plan(計画)・・・業務の意義や進め方を説明する
Do(実施)・・・実際に新人と共にやってみる、やらせてみる
Check(評価)・・・やってみた結果について良い点、悪い点を評価する
Action(改善)・・・悪い点の原因を確認し、次はどうすればいいかを一緒に考える
ステップ③ OJT実施後のフィードバック
教育担当者が新人に対して育成期間を通してのフィードバックを行う
(教育担当者から新人へのフィードバック)
現場完結にせず、人事部門が教育担当者と新人の双方に感想や改善点を確認し、
次のOJT計画につなげる。(教育担当者と新人から人事部門へのフィードバック)
OJT実施中には、PDCAサイクルに沿って、それぞれの業務内容等に対して細かくフ
ィードバックを行いますが、それとは別に全ての工程を終了したからこそ見えてくる総
括としてのフィードバックを新人に対して行います。
そうすることで、新人は他者からの評価と自分自身の評価によって成長を実感し、自分がやってきたことに達成感と充実感を持つことができるようになります。
それだけでなく、現場の情報を人事部門にフィードバックすることもまた重要です。
実際にOJTを受けた現場の新人と教育担当者からの所感、意見は、双方を成長させるだけでなく、次に迎える新・新人と新・教育担当者の貴重な情報となります。
どんなに細かく実施計画を立てていたとしても、イレギュラーが生じるのが現場です。そのイレギュラーとはどのようなものだったのか、その時どのような対策を講じたのか、そういった生きた情報を当事者間だけに留めておかずに、人事部門としても吸い上げておくことで、次の計画策定につなげることができます。
以上のとおり3ステップごとのポイントを抑え、人事部門と現場が一体となってOJTを行うことができれば、OJTは必ず機能していきます。
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